医療

医療過誤による祖父の死

新聞奨学生を続けながら、
医学部を目指して三浪目の5月のある日、
突然母から電話がかかってきました。

 

母の父、つまり祖父が膵臓癌を患って
入院中だというのです。

 

しばらく前から入院していたのですが、
僕が心配して勉強に影響がでないように
敢えて伏せていたそうです。

 

しかしなぜか急に
伝えないといけないと思い立ち、
電話した、とのことでした。

 

そして明日明後日で
どうこうなるという話でもないので、
心配しないで勉強しなさい、と。

 

確かにショックでしたが、
この時改めて、
医師になる決意を固めたのでした。

 

しかし、その三日後の朝刊の配達中。

 

ブツッという音と共に
靴紐が切れたのです。

 

靴紐って本当に切れるんだ…
まさかね…と思いながら配達から戻ると、
図ったようなタイミングで
母から電話がかかってきました。

 

今朝未明、病院で祖父が亡くなった、と。

 

三日前に電話してきた母は
既に何か感じ取っていたのかもしれません。

 

葬儀に参列した際、
祖父の死の真相を知りました。

 

膵臓癌と聞かされていましたが、
直接の死因は癌ではなかったのです。

 

鎮痛剤として使用された
モルヒネによって意識が混濁し、
夜中に点滴を刺したまま院内を徘徊し、
階段で転落してしまったのです。

 

深夜の出来事だったためか、
病院側も気付かず発見が遅れ、
最終的な死因は失血と肺炎でした。

 

今考えてみれば、
誰が悪い訳でもなかったと思います。

 

しかし、モルヒネを使わなければ、
発見がもっと早ければ、
祖父はまだ死なずに済んだのではないか…
当時はそんな思いが拭えませんでした。

 

特に、その病院では
その前にも身内が癌を誤診され、
それが原因で亡くなっていたので
医療への不信感が更に増しました。

 

そしてこの一件で、
元からの薬嫌いに拍車がかかり、
つい数日前に固めた医師を目指す決意が
一気に崩れてしまいました。

 

これは、
自分が目指しているものではない…

 

しかし、健康に生きるサポートをしたい
という想いはやはり変わらず、
医療以外の道はないのかと模索しました。

 

そんなある日、
カイロプラクティックの専門学校に通う
同じ専売所の新聞奨学生の先輩が、
「庵原くん、この本読んでみなよ」と
一冊の本を貸してくれました。

 

ロバート・フルフォードD.O.という、
アメリカのオステオパス
(オステオパシー医師)によって書かれた、

「いのちの輝き」

それがその本のタイトルでした。

 

カイロプラクティックを学んでいた先輩が
何故オステオパシーを薦めてくれたのか…

 

それは今でも謎ですが、
この本との出会いによって、
僕の人生は大きく変わることになりました。

 

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